透明な繭

永くつかっていた本棚とシェルフを解体した。ずいぶん頑丈なつくりだったけれど、ねじをすこしばかり緩めれば、女一人のちからでもたやすく崩れていった。はかない。けれど、ぽかりと空いたスペースは、空虚で、さみしさよりもむしろ清々しさがあって、わたしは満足した。しかし、これを、粗大ゴミとして出すのか。ばらばらの木の板を眺めて、茫然とする。本棚はおそらく、10年とか、つかったんだっけ。むかしむかし量販店で買ったそれは、意識していなかったけど、いつのまにか裏側の板が歪み、いまにも崩壊してしまうようすで。さみしいきもちはないけど、せつない。こうしておもいでたちを一つずつ、手離してゆくんだな。

日々は滞りなくながれて、けさはカレーをたべました。あいかわらず一人でぽつねんとしてるけど、ちょっとまえまであった心細さがいまはなくて、ただはやく引っ越したいなとそればかりおもう。

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おちついたらまた写真を撮ろう。やくそくだよ。