果てしもなく遠い場所
2019年が、たかが2年前なのに、果てしなく遠い場所のように思える。
今、箪笥に詰まっている夏服のほとんどが2019年の夏に買った。買い替える必要のあるものもあるはずだ。2年も経っているのだし。でも、たかが2年、だ。
コロナ以前の、遠い世界。
コロナ以前とコロナ以後では、歴史はくっきりとわかれてしまうのだろう。
そのくらい、あの病は世の中を変えてしまった。
世の中だけではなく、個々の常識も、倫理も、人と人との距離も、抱く感情も。
こんなふうにして世界は壊れてゆくのか、と、この1年半、情報にふりまわされながらぼんやりと思っていた。
6月23日、沖縄の慰霊の日。
たくさんの人々の祈りを、世界はとことん踏みにじる。
あんなかなしいことがあった、こんなにひどいことが起きた――それでも2021年、オリンピックはするという。
世界がどんどん壊れていくなかで、もう立っていられないという人がきっとたくさんいるはずなのに、
そんな人たちをほうっておいて“平和の祭典”はするのだという。
もう何も見たくなくて聴きたくなくて、
目を閉じて耳をふさいでも、
逃げてるだけって言われるね。
逃げることすらできなくて、歯向かえば殴られて、
このまま世界は、どこに向かってゆくのだろうね。
かなしい。