30歳になった。

30歳になった。

眠れなくて、ミルクティーを淹れて飲んでいる。

ひさしぶりに長めの小説を読んだ。ゆっくり、時間をかけて。家族、そして男女の恋愛の話。短歌をほそぼそとつくっている。わたしには才能がないなあとつくづく感じて、おちこむ。

風邪をひいてしまい、咽をひどくやられた。病院に行き、薬を処方してもらいこんこんとねむる。

県に緊急事態宣言が出てしまったのでひきこもりに拍車がかかる。けれどしようがないこと。買い物は、もっぱらネットでばかりしている。ネット通販はほんとうに苦手で、確定をクリックするとき一瞬、ちゅうちょする。

人ごみはきらいだけれど実店舗で実物をみて買い物がしたいな。美容院に行きたいな。などとまるで他人事のように考えてしまうじぶんに嫌気がさす。ほんとうは、そんなことを思っているばあいじゃないのだ。

未曾有の事態のなか、まるでなんでもないように30歳になってしまった。思ったより、かんたんだった。もっと苦しんだり、かなしんだりするのかと思っていた。ぜんぜんだった。ゆいいつ不満なのは、いまだ働ける状態ではないことと、風邪をひいていることくらい。

60歳まで生きるとしたらもう折り返しに差し掛かったわけだけど、実際にはもっと長生きしてしまうんだろうなと思う。なんだかんだと言いながら。わたしはいつもそうだ。

でもいまは、つよく信頼しているパートナーがいる。いっしょに歳をとろーねと約束した人がいる。だから、その約束を守るために、生きる。生きてゆく。